年間30万件以上の増え続けている膨大な特許文献の調査を行う上で重要なことは、特許の分類を知ることです。日本の特許文献には、国際特許分類(IPC)とFI記号が記載されており、最近発行された公報にはFタームも記載されています。また、日本の文献だけではなく、海外の文献も新規性の調査や無効資料で参照することがあり、例えば、アメリカ合衆国の公報では、国際分類に加えて、米国独自の分類(U.S.Classification)も記載されております。
Ⅰ.日本特許の分類
  I-a 国際特許分類(IPC)
  I-b ファセット分類記号
  I-c FI記号
  I-d Fターム

Ⅱ.海外特許の分類
  Ⅱ-a 米国特許分類

I-a. 国際特許分類(IPC:International Patent Classification)
国際特許分類は世界の多くの特許公報で採用されている分類であり、海外の特許文献調査にも共通の記号を使用して調査を行うことができます。国際特許分類は5年ごとに改正があり、2006年1月からは第8版(Int. Cl8)の運用が開始されます。
IPC分類表

Aセクション 生活必需品 農業 A01
食料品およびタバコ A21~A24
個人用品および家庭用品 A41~A47
健康および娯楽 A61~A63
Bセクション 処理操作:運輸 分離と混合 B01~B09
成形 B21~B32
印刷 B41~B44
運輸 B60~B68
Cセクション 化学および治金 化学 C01~C14
冶金 C21~C25,C30
Dセクション 繊維および紙 繊維または可とう性材料 D01~D07
紙 D21
Eセクション 固定構造物 建造物 E01~E06
地中削孔:採鉱 E21
Fセクション 機械工学:照明:
加熱:武器:爆破 機関またはポンプ F01~F04
工学一般 F15~F17
照明および加熱 F21~F28
武器:爆破 F41~F42
Gセクション 物理学 器械 G01~G07
原子核工学 G21
Hセクション 電気 電気 H01~H05
国際特許分類の詳細については、特許庁のWEBSITEのパテントマップガイダンスのページで調べることが可能です。

国際特許分類例
A61C 5/08
セクション   A ——健康および娯楽
サブセクション 61 ——医学または獣医学:衛生学
クラス     C ——歯科:口腔または歯科衛生
メイングループ 5/ ——歯の充填または被覆
サブグループ  08 —–歯冠:その製造;口中での歯冠固定
I-b. ファセット分類記号
ファセット分類記号とは、国際特許分類(IPC)の分類表の全範囲あるいは所定の範囲(例えば、サブクラス又は複数のグループの範囲)にわたって、IPCの分類展開とは異なる観点から展開されている記号のことであって、これによりIPCとは別の観点からのサーチが可能となります。ファセット分類記号には、3個の英文字が使用されます。
ファセット分類記号の第1番目の英文字は、通常、該当するセクション記号と同一ですが、複数の分野にまたがる技術の横断的なサーチを効率よく行うために設けられた広域ファセット分類記号では、「Z」が用いられます。また、第2番目及び第3番目の英文字は、「I」と「O」を除いた英文字が使用され、これら3文字からなるファセット分類記号は、重複しないようになっています。
ファセット分類記号の例
A61K 医療用、歯科用または化粧用製剤
ファセット分類記号
  適用範囲 6/00~49/04
    AAZ ・・・・発汗剤
    ABA ・生体防御機構に作用する医薬
    ABB ・・抗体生産機構に作用する医薬
    ABC ・・・免疫制御剤
    ABD ・・・免疫促進剤
    ABE ・・抗炎症剤
I-c. FI記号
FI(File Index:エフアイ)記号は日本独自の分類記号で、国際的には使用される性格のものではありません。国際特許分類(IPC)の利用に際して、日本の技術事情、例えばIPCの展開をそのまま使用すると多量の特許文献が集中するため効率的に検索ができない技術分野において、IPCを更に細かく展開した索引です。特にFI記号は、展開記号及び/又は分冊識別記号をIPCに付加する形で構成されています。FIは、原則IPC第6版を細展開したものですが、一部はIPC第4版又は第5版をベースにしています。FIは、IPCの完全記号(サブグループまでの記号)+(3桁の数字及び/又は1桁のアルファベット)で表されます。
最近のビジネスモデル特許出願の増加に対応して次のような展開記号が付与されています。

G06F17/60 100~176 各種業務システム
     200~250 金融・保険業
      300~342 電子商取引
  400~432 支払い、決済
  500~516 要素技術
FI記号の例
G11B 5/10, A
IPC +分冊識別記号
G11B 20/12,103
IPC +展開記号
G11B 20/18,540 D
IPC +展開記号+ 分冊識別記号
I-d. Fターム
Fターム(File Forming Term)とは特許審査のための先行技術調査(サーチ)を効率的に行うために、機械検索用に開発された技術項目のことです。現行の国際特許分類(IPC)のみでは、最近の発展した技術分野においては調査すべき先行技術文献も多くなりますが、Fタームは、種々の技術的観点(目的、用途、構造、材料、製法、処理操作方法、制御手段など)からIPCを所定技術分野毎に再区分、あるいは細区分したものであり、Fタームを組み合わせて検索することにより、関連先行技術を効率的に絞り込むことができます。
Fタームは、テーマコード5桁+観点2桁+数字2桁にて構成されますが、通常、テーマコードは別途表示されるため、前5桁が省略された、観点2桁+数字2桁が「Fターム」とされます。一部のテーマについては、さらに付加コードと呼ばれる1文字の記号が設定されているものもあります。付加コードは、Fタームの後ろに“.”を付けて付加します。
Fタームの例
5D044 DD 11
テーマコード+観点+数字
Ⅱ.海外の特許分類
Ⅱ-a. 米国特許分類
米国特許公報には、付与された米国特許分類が項目(52)の国際特許分類(51)の次に示されており、すくなくとも1つがメイン(主)クラスとして太字で示されており、他にも分類すべきクラスがある場合はサブクラスとしてメインクラスに続いて併記されています。米国の特許審査官は、米国特許分類に従って審査を行いますので、どの分類の資料を調査したかが(58)Field of Search という項目で記載されています。米国の特許調査を行う場合には、その公報についての調査分野や引例として挙げた公報の米国特許分類も示されていることから、米国特許分類を利用する方が調査し易くなっております。
米国特許分類の案内サイト このサイトから分類の定義についての解説を読むことで、調査範囲についての見当をつけることができます。特にサブクラスの定義を外れないように見出すことが重要です。
米国特許分類の例 433/220;433/224;433/225 —>メインクラス;サブクラス;サブクラス
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